ベンチプレスの効果とフォームの解説

トレーニング

はじめに

ベンチプレスは、上半身の大きな筋肉である大胸筋を鍛える代表的なトレーニング種目のひとつです。大胸筋に加えて三角筋や上腕三頭筋にも刺激が入るため、上半身の効果的なトレーニングになります。

ベンチプレスはジムでも非常に人気のトレーニング種目です。しかし、誤ったフォームで実施しているケースも多く存在します。正しいフォーム習得の必要性は、より大きな重量を扱うためと、ケガの予防につながります。

大胸筋を鍛えることで、男性にとっては分厚い胸板を作ることが出来ますし、女性にとっても大きな筋肉群である大胸筋は代謝の向上をもたらしますので、ベンチプレスは非常に効果的なトレーニング種目です。

フォーム解説

器具のセッティング

ベンチプレスを行う場合は、パワーラックやベンチプレス台を使用します。
ベンチプレスを始めるときには、各器具を正しくセッティングすることが大切です。
最適なスタートポジションを取るために、また限界がきてつぶれたときに体がバーベルに挟まれないようにするために必要なセッティングです。

まずはトレーニングベンチをバーベルの中心の真下にセットします。ベンチプレス台であればベンチの位置の調整は不要ですが、パワーラックで行う場合はベンチをバーベルの中心の真下になるよう調整します。

そしてバーベルフックの高さを調整します。
ベンチに寝そべった状態で肩を上げずに肘だけを伸ばす動作で、バーベルがフックから外せるような位置に調整します。
スタート位置のフックは高く設定しがちですが、高いより低い方がやりやすいです。
バーベルをフックから外すときに、肩を上げる必要がある場合はフックの位置が高すぎます。
そうすると、スタートポジションへバーベルを移動させた後に、肩をベンチに付け直して姿勢を取り直さなければいけません。この動きは不必要で非効率ですし、セット終了後に、バーベルをラックに戻すときにも肩の力を使ってバーベルをさらに上げる必要も出てきます。肩に過剰な負担がかかる上にバーベルがフックに収まらず落下してしまう危険性もあります。
バーベルの位置は高すぎるよりは低い方が安全ですし、やりやすいと思います。

セーフティバーは必ず適切な位置に調整します。ベンチに寝て脱力したときの胸の高さくらいに設定して、バーベルが持ち上げられずつぶれたときでも、すり抜けることが出来るような位置に調整します。
セーフティバーは高すぎると動作中にバーベルがぶつかって非常にやりづらいので、ちょうどいい位置を自分なりに動きながら探す必要はあります。

ベンチプレスの体勢の作り方

ベンチプレスの体勢の作り方には人によってやり方があるのですが、今回は個人的に分かりやすいと思われる、上から順番に位置を決めていく方法を紹介します。

頭の位置はベーベルの真下に目線が来るあたりにします。
目線より頭の上側にバーベルがあると、スタート位置までバーベルを持ってくるのに余計な力を必要としますし、目線より脚側だと、動作の途中でバーベルとフックがぶつかる恐れがあります。

次にバーベルを握る手幅を決めます。手幅は肩幅の1.2倍程度で、バーベルを胸まで下ろし切ったときに前腕が地面と垂直になるくらいが最適です。
多くのバーベルは、81㎝の位置にローレットを区切るラインがあり、そのラインに小指や薬指を合わせて握る位置を確認しておくと良いです。

バーベルを握ったら次に上半身の姿勢を作ります。肩をベンチに押し付けるようにして胸を張り、さらに胸を顔の方へ持ち上げるようなイメージで背中を反らします。
ベンチプレスで大事なことは、肩甲骨を寄せて下げることにより背中をがっちりと固定させた状態を作ることです。この状態は、胸を思い切り張ってさらに上にあげようとすると自然と体勢を作ることが出来ます。

下半身の位置をそれぞれ決めていきます。まず、背中が自然に反った状態でお尻がベンチにつき、脚は自然に開きすねが地面と垂直になるような位置で、足裏全体が地面にベッタリつくようにします。

バーベルをラックアップする前にこの姿勢をしっかりと決めて、動作に入ってからも崩すことが無いようにします。

ラックアップからスタートポジション・動作

位置取りの状態でバーベルはすでに握っているので、そこから肘を伸ばすと自然にラックアップできるはずです。

ラックアップしたら、バーベルを目線の上から、肩の真上まで水平に移動させます。この位置がベンチプレスのスタート位置であり、動作の終わりの位置でもあります。
動作中も目線は常に真上で天井のある1点を見ている状態です。バーベルの動きを目で追わないように注意します。
バーベルの軌道は視界の下半分で認識し、天井とバーベルの位置関係に確認して、毎レップ常に同じ動きが出来るよう意識します。

肘を曲げながらバーベルを下ろしていきます。バーベルの軌道は地面と垂直ではなく、やや脚側に向かってバーベルを下ろします。
肩の真上から垂直にバーベルを下ろす軌道になると、脇が開きすぎてしまいます。この場合、肩関節に窮屈感やつまりを感じると思いますが、これは肩関節に過剰な負担がかかっていることになりケガにつながる可能性があります。

バーベルを斜めの軌道で胸につくまで下ろしていきます。バーベルを下ろす位置は胸骨の真ん中あたり、鎖骨の数㎝下に向かって下ろします。背中の反り具合によって下ろす位置が変わってきます。初めのうちは背中をそこまで反らせないと思われますので、胸骨の真ん中あたりがだいたい良いボトム位置になると思います。

胸まで下ろしたら、下ろした時と同じ軌道でスタート位置までバーベルを押し上げます。
視線な常に天井の真上に定めて、視界の中でバーベルの軌道を認識することで毎回同じ動作が出来るようになります。バーベルを目で追ってしまうと、自分で動かしているものを目で追っていることになり、正しく動かそうとするバーベルの位置関係を見ることが出来ません。
視線を一点に定めることにより、視界の中でどこに向かってバーベルを動作させるかが認識できるので、毎回の動作のブレを防止することが出来ます。

ベンチプレスの一連の動作については下の動画もご覧ください。

よくある間違い

ベンチプレスはとても人気の種目なので多くの人が行っていますが、注意する点は多くあります。よく見受けられる間違いもあり、その中には危険な場合もありますので以下に紹介していきます。

サムレスグリップ

親指を巻き込まない握り方で、滑ってバーベルを落としてしまうと最悪命の危険にもなりかねません。

手首の負担を減らすためには、掌の付け根付近にバーベルを乗せることは重要ですが、これは親指を巻き込んだサムアラウンドグリップでも可能ですので、サムレスグリップを使う必要はありません

肩関節の動き

ベンチプレスの動作は、実質的には肘の上下の動作です。(厳密には、肘の動作は肩関節の関与がありますが)

バーベルを無理に押し上げようと思って、肩が体の前側に出てしまうと肩に大きな負担がかかりケガにもつながります。さらにその場合は、そもそも大胸筋への刺激が減少しています。

また、肩甲骨を寄せることを意識しすぎて、肩がすくんでしまうこともよくあります。肩がすくんでしまうと、バーベルを下ろす動作で肩関節に窮屈感やつまりを感じると思います。
これらの感覚があるということは、関節に過剰な負担がかかっていることですから、ケガにつながります。

肩甲骨を寄せることは確かに大事ですが、意識せずとも肩を下げて胸を張り、さらに胸を高く持ち上げようとすれば自然と最適な姿勢を作ることが出来ますから、その状態で上半身の背面がベンチに固定されれば肩が前に出てくることもないです。

尻上げ

お尻を上げることで、胸の位置が高くなり動作の範囲が狭くなります。そうすると確かに高重量を扱うことが出来ますが、動作の範囲が狭くなればその分トレーニングの効果も薄れてしまいます。
ベンチプレスで高重量を上げることが目的であればそれでも良いですが、魅力的な体を作ることが目的なのであれば、より効果的に筋肉へ刺激を与える方法が効率的です。

また、脚の力を体を通してバーベルに伝えることは、大きな重量を扱っていく上で重要なテクニックですが、脚の力を伝えるためにお尻を上げる癖をつけるのはあまりよくありません。

脚の力をバーベルを持つ腕に伝えるためには、脚で地面を垂直に押すのではなく、前に蹴る動きで力を加えます
脚で地面を垂直に押すように力を入れるとお尻を上げる動きになってしまいます。
脚で地面を前に蹴る動きをすると、お尻が上がることはありませんし、バーベルの重さで上半身は固定されていますから、脚の力がそのまま体を通して伝えられ効率よくバーベルに力を乗せることが出来ます。

まとめ

ベンチプレスは非常に人気の種目で多くの人が取り組んでいますが、変な癖がついてしまっては効果が半減してしまいますし、ケガにもつながりかねません。
初めのうちは正しいフォームでバーベルを毎回同じ軌道で動かせるように時間をかけて取り組んでいくことが大切です。

重量を追い求めて、つい周りの人と見比べてしまいがちですが、トレーニングは見栄を張るためのものではなく体を変えることが目的です。自分にとって最適な重量で最良の効果を引き出せるよう意識しておく必要があります。

筋トレで大事なことは、人と比べることではなく過去の自分と比べて少しでも重く、1レップでも多く行うことを目指していくことが、成長につながります。

効率的に体を変えていくには、特定の筋肉だけでなく全身をくまなく鍛えていくことが重要です。
ベンチプレスも含めた全身のトレーニングメニューは下記の記事で紹介しています。

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