筋トレで鍛えた筋肉は使えないのか?- 筋トレと競技練習の関係 –

トレーニング

はじめに

よく筋トレで鍛えた筋肉は使えないから役に立たない見た目だけのものと言われたりします。当然見た目の改善を目的として筋トレをしているのであれば、ついた筋肉が役に立たなくても関係ないと思います。
しかし、スポーツの競技能力の向上を目的として筋トレをしているのであれば、せっかく付けた筋肉が役に立たないのであれば、無駄な筋肉になってしまいますし競技能力の向上を阻害するものになってしまっては困ります。

果たして筋肉には使えるものと使えないものの区別はあるのでしょうか。
使える筋肉や使えない筋肉と言われるにはどんなところに違いがあるのか考えていきたいと思います。

筋肉の種類

筋肉はただのタンパク質の集まりですから、当然、使える使えないの区別はありません
筋肉に違いがないとすれば使える筋肉と使えない筋肉を区別しているのは、脳や神経などの指令をつかさどる部分に原因があると考えられます。

つまり筋トレで付けた筋肉というのは、その筋トレの動作に最適化されて作られています。新たについた筋肉は動かすための神経や脳がまだ発達していませんから、すぐにスポーツの動作に生かすことは出来ません。筋トレから別の動きに置き換えてすぐにより強い力が発揮できるということはなく、新しい動作に対しては増えた筋肉を適応させていくことが、使えない筋肉を使える筋肉に変えていくために必要なことです。

動作の適応性

筋トレを始めたばかりの人はわかると思いますが、トレーニングを始めたての時期は扱う重量が日に日にどんどんと伸びていきます。これは、筋肉が増えたということも当然ありますが、実際には、筋トレの動きに適応して(体が慣れていって)より効率的に体を動かせるようになったためです。
どのようなスポーツでも、始めたての時期は驚くほどのスピードで成長していきます。これは筋肉よりも、その筋肉を扱う神経系が発達することによります。
赤ちゃんが生まれてから、立ち上がったり歩きだしたりするのも、大人の動きを真似て失敗しながらも繰り返し失敗しながら練習していくことで、様々なことができるようになります。

スポーツなどの特定の動作に特化した筋肉をつけるためには、競技練習などその動作で鍛えていくことも効果的ですが、筋肉量を増やすという目的では効率的ではないことがあります。

野球のバッティングを例にとって、スイングスピードを高めたいと思っているとします。素振りを何回も行うことは重要で、技術的な向上は見込めますが、素振りだけでは筋力の増強に高い効果は望めません。
バッティングにおいては、下半身から生み出された力を腰のひねりにつなげ、体幹を通り最終的にバットを持つ腕に伝えられます。
基礎的な筋力の増強を目的として、力を生み出す脚とお尻などをスクワットで鍛えたとすると、発揮できるパワーのベースが上がります。それに加えて素振りなどの技術的な練習をすることで、神経系が発達して、付けた筋肉が最適に動くことが出来るようになりパフォーマンスの向上につながります。

筋トレと競技練習

筋トレとスポーツの競技練習で得られることは別物として考えることが大切です。

競技練習だけでは、基礎的な筋力の増強にとってはあまり効率的ではありません。そこで、筋力増強に特化した筋トレを組み合わせることで、その競技に必要な力のベースを上げることが出来ます。
そして、向上した筋力を競技練習で最適化させて、神経系も鍛えていく必要があるのです。

筋トレは筋肉の増強を目的としていますので、筋肉を増やす一番効率的な方法です。そして競技練習は、筋肉をその競技に合わせて特化させていくことでパフォーマンスの向上を目指します。

それぞれ目的が違うためトレーニングの手法も異なっているわけで、その目的に合わせて効率をとることが、筋トレと競技練習を組み合わせる形になります。

なお、競技のための筋トレについては、下記のオーバヘッドプレスの解説の記事にて、キネティックチェーンの段落にて解説しています。

まとめ

筋トレで鍛えた筋肉が使えないといわれる理由は、つけた筋肉が筋トレという特定の動きしかに適応されていないことが原因です。野球をやったことがない人が、筋トレをしたからといってホームランを打つことができないことと同じです。筋肉を使うための神経系が発達していませんから、最適な動作を作り出すことは出来ません。

筋トレは筋肉の増強に対して特化していて非常に効率的です。競技練習だけでは補えない筋肉向上は筋トレに任せておくべきで、競技練習と筋トレそれぞれ組み合わせていくことが大切です。

筋トレで付けた筋肉は、競技に合わせた練習を通じて神経系が発達し最適化されて使える筋肉へと変化します。筋肉という組織が変わるわけではなく、神経系の発達によって筋肉の使い方がうまくなるということです。

さいごに

筋トレで増えた筋肉は使えないものでは全くなく、あらゆるスポーツにおいても基礎となる貴重な財産です。その筋肉を使えるものにするためには、そのスポーツに合わせた練習で神経系を発達させることが必要不可欠で、筋肉は最適化されてこそ力を発揮できます。

筋力トレーニングは負荷の設定が効果を決めます。適切な負荷の設定については下記の記事もあわせてご覧ください。

さまざまな競技に取り組んでいる方にも、筋トレで基礎的な筋力を身につけることはその競技のパフォーマンス向上に間違いなく貢献します。

注意点として、筋トレと競技練習を組み合わせる場合は適切な休養を設定することが重要です。どちらも体に負担をかけていることになりますので、オーバートレーニングには注意が必要です。

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